~大分県教育百年史資料(北山田村地誌・玖珠郡地誌)より抜粋~
明治42年(1909年)3月調べ
● 位 置
玖珠郡の西北にありて、西は日田郡に接し、東は八幡村及び森町の一部に続き、南は玖珠川をへだてて万年村に至る。
● 広 さ
田地 447 町歩あまり
畑 189 町歩あまり
宅地 38 町歩あまり
山林 374 町歩あまり
原野 627.6 町歩あまり
雑地 0.6 町歩あまり
● 人 口
人口 4811 名
戸数 777 戸
● 生 業
多く農を常とす。稀に商業及び旅人宿をなすものあり。
● 物 産
米・麦・粟・大豆・小豆・木炭・椎茸等にして、
米は年々7000石あまりを産し、1人平均 1石6斗8升8合(郡中第2位)
麦は年々1083石を産し、1人平均 2斗4升4合(郡中第5位)
粟は年々712石を産し、1人平均 1斗4升8合(郡中第1位)
木炭は18500貫にして、郡中第2位
椎茸は2,600斤にして、郡中第3位
● 政 治
(北山田村)
村内を大字四日市、及び戸畑に分つ。
村役場は滝ノ原にあり。村長小幡範蔵、助役欠、村会議員18名あり。
駐在所、滝ノ原にあり。(現在の北山田自治会館付近)
学校は、小字前原に戸畑尋常小学校及び農業補習学校あり。児童数300名。先生27名。
大野原に大野原尋常小学校ありて、児童数凢96名。分校梅野にあり、児童数18名。
内河野に内河野尋常小学校ありて、児童数凢68名。分校矢野にあり、児童数48名。
(玖珠郡)
郡役所は森町にあり。本郡内を1町7村に分かつ。
町村名 戸数 人口
森町 1,081戸 (5,909名)
万年村 874戸 (5,500名)
北山田村 777戸 (4,811名)
南山田村 651戸 (4,107名)
八幡村 664戸 (3,563名)
野上村 601戸 (3,381名)
東飯田村 576戸 (3,322名)
飯田村 328戸 (1,684名)
玖珠郡の人口は約3万人、戸数は約5500戸。
● 道 路
佐賀県道は、大分町より本郡野上村にあり、万年村塚脇を経て本村(17里)に入り、廣瀬、前原、瀧ノ原、平川等を通りて日田郡に至る。
別に、廣瀬より四日市十ノ釣を過ぎ、森町に至るもの郡府道あり、及び平川より浦河内及び杉ノ河内等に達する里道あり。
● 神社及び寺、宿驛
満福寺は大字戸畑にあり、郡内屈指の寺院にして、前に住僧円成院といえる名僧をもって名高し。
瀧神社は魚返瀧伴にあり、住昔清原正高及び小松姫の遺跡として名高し。
矢野には矢野検校の遺跡あり。
平川は日田町に通ずる要路にある。昔より小驛にして郵便局、及び旅舎あり。
● 地 勢
(山 脈)
西北に連互して、北に高戸山、西に鏡山、代太郎峠、朝見岳(西北)、東北に牧ノ平山等あり。
(河 流)
玖珠川は東より来り十の釣にて森川、四日市にて叶田川、野田にて野田川を合わせ西流して小田泊里にて魚返の瀧となり、平川川を合して西流日田郡に入る。
(土 地)
玖珠川に沿いたる十の釣四日市及び佐賀県道に沿いたる戸畑本筋は、水田多り地沃梢、肥沃平川より西南玖珠川に沿いては、平野少々山林繁茂し平川川ノ上流大野現地方は地味湿気多々西部県道に沿い、日田郡に通ずる一帯の地は山地にして耕作地少し。
(北山田村概収入)
田一段歩 上米3石 中米205斗 下米105斗~1石
畑一段歩 大豆 2石5斗 1石8斗 1石~8斗
小作米 一段歩につき2石 1石6斗 1石2斗
上畑 2石 1石5斗 1石~6斗