(みかづきだより第24・31号より)
小麦川野から高塚方面に曲がる高速道路の下を右に行く。上り坂を約5~600m位登った所に、小さなお社がある。円徳野阿弥陀堂と観音本像である。
阿弥陀堂内の三尊像であり、中心に阿弥陀如来、左側に観音菩薩(木造)があり、60㎝位ある立像である。右側に大日如来(木造)がある。
祠に隙間なく鎮座しており、年代及び作者等不明である。刻線はあざやかに尊厳され、一層発散されるご立派なものである。
「阿弥陀如来」(中央)
「観音菩薩」(左)
「大日如来(奥)・お釈迦様(手前)」(右)
真ん中に座する阿弥陀如来像の螺髪、和やかな仏像であり心和むばかりである。貢ぎかけの衣の白さ、そして真紅の裾着や鮮やかな供花に、近隣の方々の信仰が美しく見え、輝きを放っていた。
右側の立像は、お釈迦様と立像の光仏様であり、年代等不明であるが貴重な仏様であろう。
小麦川野から円徳野を経由して、昔は高塚様への道路があり、道行く人々は立ち止まり、両手を合わせ道中の無事を祈りつつ、毎日の平穏無事を祈ったのかもしれない。
阿弥陀堂を手入れされた先人たちの思いと、また現在も同様に仏様を大切にする心が、より鮮やかに輝かせてくれるものと信じているところである。